グランドアクシス100の特性・改造ポイント
◆5FA1〜3型共通
○改造したくなる「ダメダメ」な箇所
・一番のネックは駆動系。30m/h付近から55km/h程度の間に急激に回転数が落ち込む
「谷」が発生するため、街中で多用する速度域が非常にかったるい。
3FCトルクカムとの相性も悪いと想像される。(5FA2以降 幾分改善(後述))
また、他社の二種と比べて最高速が低い。個体差はあるがメーター読み80km/hが
最高速では悲しい。
・同じ4VP型式のBW's100に比べ二次圧縮が低い。これは日本の騒音規制に合わせて二次圧縮を
落としたためであると思われるが、そのためパンチがない。
・アクシス90にも共通するが、各ポート類(特に排気ポート)が非常にマイルドな特性に
なっている。これは万人向けにパワーを落としてあるためだと推測される。
・オイル混合比が高い。オイル燃費から計算すると、個体差もあるが1:20〜1:22前後。
このためスカッと吹けない。
・決定的な制動力不足。車重も50ccにくらべ重く、前後12インチの足回りなのに
フロントブレーキディスクは50ccと同サイズ。本当に効かない。
◆5FA2型
○上記から改善された箇所
・トルクカムが3AAに変更された。3FCカムは逆「く」の字型カムだが、3AAは
くの字が緩い。このため谷が体感で半分以下になった。
・センタースプリングが固くなった。やはり谷を消すための手段だと思われる。
・ブレーキディスクがBW's100と同径の180mmになり、制動力が改善された。
(但し満足行く制動力かは疑問)
○改善ではないが変更された箇所
・コンペンセイターというリーンバーン装置が付いた。(いわゆる規制後車両となった)
キャブから出た配管がエアクリにつながっており、エアクリには負圧を感知して
開閉するバルブがついている。これにより、アクセルがパーシャルの状態の時に
二次エアを強制的にキャブへ導入し、希薄燃焼させるもの。
メインジェットも 5FA1:78番 → 5FA2:74番に下がった
・マフラーに触媒が付いた。
・オイルポンプがアクセルワイヤーによる開閉から電磁弁(ソレノイド)制御となった。
CDIからの回転数の信号をオイルポンプ側が感知し、オイルポンプを開閉する仕組み。
オイル燃費向上のためと思われる。
○改造指南(主観)
@まずは駆動系!
手軽かつ最も重要な駆動系の交換が一番最初でしょう。
装着するパーツとしては大きく分けて3つのパターンが想定されます。
i)マロッシ マルチバリエター
ポン付けで最も効果的。加速の谷も消え、最高速もアップする。
プーリー、ランププレート、ウエイトローラー、センタースプリングが付属。
ノーマルエンジンにポン付けで5〜10km/h最高速がアップ。
(マイナスポイント)
・高い(15,800円)
・ウエイトローラーの減りが極端に早い(100km程度でうっすら減ってくる)
→但し現在のロットは表面の樹脂の材質が変わったようで、いくぶん改善
・ウエイトローラーが専用サイズのため、他のYAMAHA車用は流用不可。
しかも6個入りでしか販売しておらず、値段も高い。
・付属のセンタースプリングのヘタリが早い。
ii)4VP系など、他のメーカー製ハイスピードプーリー
国内メーカー、ショップの物と台湾製の物(天一堂、KN企画など)がある。
4VP(BW's100)プーリーベースの物と、カメファクの様に5FAプーリーの加工品が
ある。おおむね4VP系が多い。YAMAHAの汎用ウエイトローラーが使えるので
セッティングに有利。マロッシと違いプーリーボスは純正を使用する。
(よってグリスをボス部に塗布する。オイルシールもある)
加速・最高速の性能はマロッシよりほんの少し劣る感じ。(主観)
iii)3WF系プーリー
JOG90、アクシス90(3WF)用の社外プーリーを流用する。
意外と感触は良い。SS1/32マイラーに愛用者が多い。最高速も伸びる。
プーリー、ランププレート、プーリーボス、ドライブフェイス等すべて
3WF用を使用する。但しGアク用プーリーよりトータルの厚みが薄いので、
ポン付け不可。ランププレートとセルギアの間にワッシャーを2〜3mm
入れると位置関係が合う。
これら社外品を投入して、最高速は90km/hくらいが限界だと思われる。
A5FAエンジンの封印を解こう!
JOGなどのYAMAHA50ccスクーターに比べてグランドアクシスのエンジンは
「ディチューン」されている。これは各ポート類の大きさが小さいのが
一番の原因。
過去に、3YKシリンダー(規制前ZR等)の掃気・排気ポートを紙に写し取って
そのまま52φ×47.8mmのGアクシリンダー用に同じ割合で拡大し、その
大きさの通りにポート加工をした事があったが、それだけでかなりパワーアップ
した。50ccは少ない排気量で効率的にパワーを出すためのポート形状となっているが
Gアクはその逆であるという証明になった。
その事実を踏まえ、100ccという排気量に見合ったパワーを出すためには
・手っ取り早くボアアップ
・マニアックにポート加工+ヘッド加工
この二種類が考えられる。
i)ボアアップ
各メーカー、ショップなどから様々なボアアップキットが発売されている。
台湾では殆ど2サイクルスクーターは見かけなくなってきました。台湾の
各メーカーも国内向けには殆ど4VP系パーツは供給しなくなってきています。
殆どが日本or欧州向けの輸出用でしょう)
現在流通しているボアアップは55、56、57φ。
初心者向けのボアアップとしてお勧めは、デイトナ113cc(天一堂113ccも
同等品)武川117cc(ポート加工された方。天一堂117ccも同等品)および
マロッシ121ccが良い。
上記のお勧めボアアップは、特に排気ポートがノーマルに比べて大きくなって
いるので、トルクが増えると同時にパワーバンド回転数が上に移行するため
最高速が伸びるという効果がある。
WJで販売しているマロッシボア@ファインポートは評判が良い。(さすが)
ボアアップにより、ダメダメポートが幾分改善されるのと、低い二次圧縮が
改善されるので大分元気なエンジンになってくれる。
ii)ポート加工+ヘッド加工
コアなユーザにお勧め。自分で作る喜び・工作欲を満たすという効果も。
定番の加工方法としては
・排気ポート高さはシリンダー上面から25〜26mmくらいに上げる
・排気ポート上面を水平に広げる。上面の両端を完全に水平にすると
一気に排気されるのでパワーは向上するが、ピストンリングに負担が
かかるので街乗りには向かないかも。
・排気ポート形状には、加工される方により様々な持論がある。
一般的には逆台形が好まれる。他に横長の長方形が良いという人も
いれば、排気出口が円なのだから排気ポートも楕円が良い、という
人もいる。
・排気ポートから排気出口まではなるべく一直線になるように内部を
気合い入れて掘る。理想を言えばカデナシー効果でチャンバーから
戻ってきた未燃焼ガスがシリンダー中心に吹き出すように、排気ポート
内部をスプーンのようにえぐってあげると良いという説がある。
しかし、あまり掘りすぎると穴が空いてしまうので限界あり。
SSマイラーは溶接で埋めながら掘ってます(^^;;
・排気ポート幅は、スタッドボルト対角線の芯まで広げても問題ない。
一般的に排気ポートの弦長はボア径の70%までという説があるが、
実際には問題なし。(耐久性を突き詰めて考えれば影響有るかも
しれませんが)
レースをやるわけではないので、排気ポートのみの加工で充分でしょう。
さらに、上記加工を施すと必然的に二次圧縮が落ちるので、ヘッド面研
などの加工が必要となります。ショップなどで旋盤orフライスにて
加工してもらう方法と、自分でシコシコ削る方法があります。
自分で削る方法は、#120程度から数種類の耐水ペーパーを購入し、
ガラステーブルの上にひき(ガラスは水平が出ているので)
10往復させたら15゜くらい回してまた10往復、というようにまんべんなく
ひたすら削る。お勧めは1.0mmくらい。目標まで到達したら番手を
細かくしていって仕上げる。
◆その他、気がついた点やうんちくなど
・むやみなクラッチの軽量化やスプリング強化は、かえって出足が悪くなる。
(クラッチが滑るため)
・ベルトは純正品で充分。
・ビッグキャブでもノーマルキャブでも最高速はさほど変わらない。
(セッティングその他の要因で多少は伸びます)
・フライホイール軽量化、セルギア外しはレスポンスは向上するが、最高速は
落ちる傾向となる。
まだまだ書くことはたくさんあるのですが、とりあえず第1回はこのへんで。
また更新しますのでたまにチェックしてみて下さい。(*'-')ノ